テニスは「足ニス」と呼ばれるほど、足の使い方がパフォーマンスに直結するスポーツです。そのため、シューズ選びは技術向上だけでなく、ケガ予防の観点からも非常に重要です。
しかし、売り場に行くとコートの種類別にシューズがずらりと並んでいて、「とりあえずオールコート用を選んでおけば大丈夫でしょ」と考える方も多いのではないでしょうか。
所長理学療法士の視点から言うと、これは実はあまり望ましくありません。
さらに、多くの方が見落としているのが「良いシューズを選んでも、それだけでは足のケアは十分ではない」という事実です。
今回は、テニスシューズの選び方と、シューズだけでは解決できない足の問題について詳しく解説します。



この記事を書いている著者は・・
- 理学療法士(医療国家資格)
- YouTubeチャンネル『テニスメカニズム研究所』運営(登録者2.6万人)
- 書籍『YouTubeで学ぶ 世界のテニス戦略』著者
【出版書籍】
テニスシューズが他のシューズと決定的に違う理由
テニス特有の足の動きとは
- 前後左右の急激な動き:ランニングのような前への動きだけでなく、左右への素早い切り返しが必要
- ストップ&ゴー:急停止と急発進を繰り返す動作
- 回転動作:体をひねりながらの足の踏ん張り



理学療法士として多くのテニスプレーヤーを診てきましたが、不適切なシューズを履いている方は、足首の捻挫、膝の痛み、アキレス腱炎などのリスクが高まります。
ランニングシューズでテニスをすると、横方向のサポートが不足し、足首の捻挫や膝への過度な負担につながる可能性があります。
テニスシューズには以下の機能が備わっています:
- グリップ性:コートの表面に合わせた滑りにくさ
- 耐久性:激しい動きに耐える強度
- クッション性:ジャンプや着地の衝撃を吸収
- サポート性:足首や足を保護し、ケガを予防
週1-2回のプレーでも、専用シューズを使うことで、長期的なケガのリスクを大幅に減らせます。
「オールコート用=万能」ではない!コート別シューズの重要性
以前は屋外のオムニコート(砂入り人工芝)が主流でしたが、近年は猛暑の影響もあり、屋内のカーペットコートが増えています。
この変化により、シューズ選びの基準も変わってきているのです。
カーペットコートは絨毯のような凹凸があり、コート自体に非常に強いグリップ力があります。
そこに溝のあるシューズを履くと:
- シューズとコートが強く引っかかりすぎる
- 足が急停止し、膝や足首に過度な負担
- 転倒や捻挫のリスクが高まる
実際、ケガ防止のため、インドアシューズ以外の使用を制限している施設も増えています。



理学療法士として、特に膝の前十字靭帯損傷や足首の捻挫は、不適切なシューズが原因のケースが多いと感じています。
理学療法士が推奨:ASICSシューズを選ぶべき理由
数あるテニスシューズメーカーの中で、理学療法士としてASICSを推奨する理由があります。
① 日本人の足型に合わせた設計
ASICSは日本のメーカーとして、日本人の足型(幅狭・甲高傾向)に合わせたシューズ設計をしています。


基本的に歳を重ねると足全体のアーチが広がり扁平足となる傾向があります。
理学療法士の視点:
- 足幅が合わないシューズは、足底筋膜炎や外反母趾のリスクを高める
- 日本人の足に合ったフィット感が、ケガ予防の基本
② テニス特有の動きを研究した設計
特に注目すべき技術:
- GELクッショニングシステム:衝撃吸収に優れ、膝への負担を軽減
- TRUSSTIC SYSTEM:ねじれ防止機能で足首の安定性を確保
- AHAR(高耐久アウターソール):耐久性が高く、長期使用でも性能維持
理学療法士の視点:
- ねじれ防止機能は足首・膝のケガ予防に直結
- 適切なクッション性が、疲労蓄積と慢性痛を防ぐ


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