「フォームを意識しているのに、サーブに威力が出ない」「練習では打てるのに、試合になると安定しない」。そんなとき、もっと強く振ろうとしていませんか?
サーブを見直すヒントは、腕の振り方だけにあるわけではありません。トスを上げるタイミング、沈み込み、上半身の準備、そして力を伝える順序。動きのつながりに目を向けると、これまで気づかなかった課題が見えてきます。
今回紹介するテニスメカニズム研究所の動画では、海外コーチの解説やトップ選手の映像をもとに、サーブで見落としやすい5つのポイントを取り上げています。この記事では、その概要と練習での着眼点を整理しました。
まずは自分に当てはまりそうな項目を一つ探してみてください。気になる動きは、動画の該当場面と見比べると理解が深まります。


所長この記事を書いている著者は・・
- YouTubeチャンネル『テニスメカニズム研究所』運営(登録者2.6万人)
- テニスメカニズムスクール運営(YouTubeメンバーシップ)
- 書籍『YouTubeで学ぶ 世界のテニス戦略』著者
- 理学療法士(医療国家資格)
【出版書籍】


まず確認したい、サーブの「5つの罠」
- トスと沈み込みがバラバラになっている
- トスが乱れ、打点を毎回調整している
- 肘の高さや体の傾きを確認できていない
- 加速しようとして手首を固めている
- 下半身より先に腕で振り始めている
罠① トスと沈み込みを、別々の動きにしてしまう


トスを上げてから、慌てて足を動かし、膝を曲げる。そのようなサーブになっていると、打つ準備が忙しく感じられるかもしれません。
動画の最初のポイントは、トスと下半身の準備をつなげること。トスの動作に合わせて沈み込み、そこから伸び上がる流れに注目しています。
これは「足を絶対に動かしてはいけない」という意味ではありません。足を寄せるピンポイントスタンスにも、足の間隔を保つプラットフォームスタンスにも、それぞれのリズムがあります。確認したいのは、トスの後に余分な動作が入り、流れが途切れていないかという点です。
練習では、まずゆっくり動いてみる
いきなり速いサーブを打つより、ボールを打たない素振りでトスと沈み込みのタイミングを確かめてみましょう。
動画では、準備の姿勢を一度止めて確認する練習も紹介されています。取り入れるなら、まず素振りで姿勢を確かめ、最後は止めずに動作をつなげます。深く膝を曲げること自体を目標にせず、自分が自然に伸び上がれる準備を探してみてください。
罠② トスが乱れたまま、フォームだけを直そうとする


あるときは前、あるときは後ろ。トスの位置が毎回変わると、そのたびに体や腕でボールに合わせることになります。
「今日はフォームが安定しない」と感じる原因が、実はトスにあるかもしれません。動画では、トスの落下位置と、体が伸び上がったときのコンタクトポイントの関係を解説しています。
右利きの例では、体からやや左側へ流れ、前方に落ちるトスを紹介しています。ただし、球種やスタンスによって適した位置は変わります。映像の位置をそのまま全員の正解にするのではなく、自分が窮屈にならずに打てる位置へ、繰り返し上げられているかを確認しましょう。
打たずに落とすと、トスのばらつきが見える
動画で紹介される方法の一つが、コート上に置いたラケットを目印に、トスの落下位置を確認する練習です。
まずはトスだけを10回ほど上げ、どこに落ちるか観察してみてください。前後左右のどちらにずれやすいかが分かるだけでも、練習の目的がはっきりします。目印は足元の動線から外し、踏まない位置に置きましょう。
サーブ練習の最初の数分をトスに使う。そんな小さな工夫から始められます。
トスと打点のずれがセカンドサーブのミスにつながる例は、こちらの記事で詳しく解説しています。


罠③ 肘の高さと体の傾きを、感覚だけで判断する


ラケットを引いたつもりでも、映像を見ると肘が高く上がりすぎていたり、後ろへ引きすぎていたりすることがあります。
動画の3つ目のポイントは、加速に入る前の準備姿勢です。肘の高さや曲がり方と、体の傾きを合わせて観察しています。
解説には、肘の角度や体の傾きについて具体的な数値も登場します。ここで注目したいのは、角度を無理にそろえることよりも、その姿勢から次の動作へ滑らかに移れるかどうかです。見た目の形だけを再現しようとして、動きが固まってしまっては練習の目的から離れてしまいます。
スマートフォンで横から撮ってみよう
自分では十分に準備できているつもりでも、横から見ると発見があります。まずは次の二つに絞って確認してみましょう。
- 肘の位置が、打つたびに大きく変わっていないか
- 準備姿勢から振り始めるときに、動きが止まっていないか
罠④ 威力を出そうとして、手首を固めてしまう


強いサーブを打ちたいと思うほど、ラケットを握り込み、手首や前腕に力が入る。その結果、振り抜きが重たく感じられることはありませんか?
動画では、加速局面の肘の使い方と、手首を固めないことに注目しています。腕だけでラケットを動かそうとするのではなく、下半身からの動きにつなげるという視点です。
速さを抑えて、振り抜きの違いを比べる
まずはゆっくりした素振りで、握り込みすぎていないかを確認します。その後、軽いサーブに戻し、準備から振り抜きまでが途切れずにつながるかを比べてみましょう。
一球ごとの速さだけでなく、「必要以上に力んでいないか」「最後まで滑らかに振れたか」も練習の振り返りに加えてみてください。
ラケットをしなやかに振る考え方は、WTAのトップ選手のサーブを分析したこちらの記事も参考になります。


罠⑤ 下半身より先に、腕を動かしてしまう


準備の形が整っていても、いざ打つ瞬間に腕が先に出る。動画の最後に取り上げられるのが、この動き出しの順序です。
下半身の動きが体幹、腕、ラケットへとつながっていくことを、運動連鎖と呼びます。動画では、形だけでなく、加速へ移るタイミングを確認する重要性が説明されています。
「脚、体幹、腕」と完全に分けて動かすのではなく、連続した動きの中で下半身を使えているかがポイントです。良い姿勢を作ることと、その姿勢から力をつなげることは、分けて観察すると課題を見つけやすくなります。
素振りで順序を感じ、通常のサーブへ戻す
動画では、下半身の動きを強調したシャドウスイングを紹介しています。
まずはボールを打たず、下半身の動きに上半身が続く感覚を確認します。その後、動きを普段の大きさに近づけ、軽いサーブへ戻してみましょう。
強調した動作を、そのまま試合のフォームにする必要はありません。「腕だけで急いでいなかったか」を確かめる練習として使うと、目的が分かりやすくなります。
次の練習では、一つだけ確認してみよう
サーブの練習で、5つのポイントを毎球すべて考えるのは大変です。次にコートへ行くときは、一つだけ選んでみてください。
トスがばらつくなら落下位置。準備が忙しいならトスと沈み込み。力んでしまうなら、握り方や動き出しの順序。課題を絞ると、動画を見る目的も、練習で確かめることも明確になります。
この記事で概要をつかんだら、ぜひ本編で実際の動きを見てください。写真や文章では伝わりにくい、トスと沈み込みの重なりや加速のタイミングに注目すると、新しい発見があるはずです。
トップ選手のサーブの動きをもっと見たい方は、こちらの分析記事もおすすめです。




練習方法や戦術をもっと学びたい方へ
YouTubeメンバーシップ「テニスメカニズムスクール」では、一般公開の動画では扱っていない、海外トップコーチが教える練習方法や、シングルス・ダブルスの戦術を紹介しています。
動画で気づいたことを、日々の練習や試合にどうつなげるか。技術の見方を増やし、練習の選択肢を広げたい方は、メンバーシップの内容もチェックしてみてください。
世界のテニスを、自分の次の一球へ
テニスメカニズム研究所が大切にしているのは、世界のトップ選手やコーチの知見を、眺めて終わりにしないことです。
動きを知り、自分のプレーと比べ、次のコートで一つ試してみる。そのきっかけを届けたいと考えています。
チャンネルの考え方や、一般公開動画・メンバーシップで伝えていることは、こちらの記事で詳しく紹介しています。




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